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水溶液の液液分離
更新日: 2019年06月13日
我々のグループの新しい論文が出版されました。
Takuma Yagasaki, Masakazu Matsumoto, and Hideki Tanaka
Liquid-Liquid Separation of Aqueous Solutions: A Molecular Dynamics Study
J. Chem. Phys. 150, 214506 (2019).
液液相転移シナリオでは,過冷却水は第二臨界点より低い温度で高密度液相(HDL)と低密度液相(LDL)に分離する。分子動力学シミュレーションを用いて液‐液相転移に及ぼす親水性及び疎水性溶質の効果を調べた。過冷却NaCl水溶液は低圧で溶質に富むHDL部分と溶質に乏しいLDL部分に分離することが分かった。対照的に,過冷却Ne水溶液は高圧で溶質リッチLDL部分と溶質欠乏HDL部分に分離する。両溶質は液液分離の高温限界を増加させる。溶質粒子の局所密度を用いて分離度を定量化し,圧力‐温度状態図における液‐液共存領域を決定した。過冷却水の相図に及ぼすNaClとNeの影響をHDL中のイオンの優先溶媒和とLDL中の小さな疎水性粒子の優先溶媒和で説明した。