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超高圧におけるTIP4P/2005, SPC/E, TIP5Pの相図
更新日: 2018年07月18日
我々のグループの論文がJ. Phys. Chem. Bに掲載されました。
Yagasaki, T., Matsumoto, M. & Tanaka, H. Phase Diagrams of TIP4P/2005, SPC/E, and TIP5P Water at High Pressure. J. Phys. Chem. B 122, 7718-7725 (2018). https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.jpcb.8b04441
日常私たちが目にする氷は、六角形の結晶構造で密度が低く、液体の水に浮きます。しかし、2000気圧以上の高圧では、結晶の構造は変化し、その密度は液体よりも高くなります。このように、水に高い圧力を加えると、さまざまな性質が変化します。
私たちは、5万気圧以上の超高圧のもとで水がどのような結晶構造を作るかを、計算機シミュレーションにより詳細に調査したところ、これまで実験では発見されていない新しい氷が形成されることを見出しました。この氷は単位胞(結晶の繰り返し単位構造)が152分子でできている、極めて複雑な結晶構造を持っています。こんなに複雑な構造が、なぜ自発的に形成できるのかは大きな謎です。