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氷XVIと準安定なハイドレートの特異な熱力学的物性(Anomalous thermodynamic properties of ice XVI and metastable hydrates)

更新日: 2016年03月01日

米国物理学会の雑誌Phys. Rev. B に我々のグループの論文が掲載されました。

 

T. Yagasaki, M. Matsumoto, and H. Tanaka,  Phys. Rev. B 93, 054118 (2016).

 

水は、固体が液体に浮くこと、また、液体の水を冷やすと、4℃以下で膨張をはじめることは良く知られていますが、実は氷も極低温(55 K以下)では、冷やすほど膨張する異常な性質をもっています。

 

この研究では、極低温で氷I(通常の氷)や氷XVI(こおり16; 最近発見された、密度の低い氷)がなぜ異常な熱膨張を示すのに、氷XVIと同型の結晶構造を持つガスハイドレートにはそれが現れないのかを解明し、氷XVIを作るための特殊な技法を応用して、これまでにない機能を持つガスハイドレートを作る方法を提案しました。

 

(追記 2022-01-12 当初の記事で、異常液体なる用語を使用していましたが、科学用語ではないので訂正しました。)