[research]
シミュレーションはどんどんパッケージソフト化され、実験屋が手軽に計算できるようになってくる。その中でシミュレーション専業でやっていくには、どこで差別化するか。

そこはやはりシミュレーションの前と後のプロセス、つまり計算機の性能を生かせるテーマの選択と、シミュレーションデータの解析手法だろう。実験データと比較できる情報、あるいは実験の裏付けを与える情報をとるだけなら、実験家がパッケージ付属の解析ツールを使ってできてしまう。

せっかくすべての分子の厳密な座標が得られているのに、それをすべて平均してしまうのはもったいない。一方、膨大な情報を縮約せずに見せたのでは誰にも理解できない。複雑すぎず、単純すぎない絶妙の詳しさで本質を切り出す解析をするのがシミュレーション屋の腕の見せどころだろう。デジカメが普及して、いよいよプロの写真家の巧さが際立つのと同じように。

何でも計算できます、というのは売り文句ではなくなる。どんな複雑な事象でもそれなりに解析できます(もっとプラグマティックに言えば、論文にする落し所を見付けられます)、といえるのが最強かと。シミュレーションをはじめる際には、この研究対象はどこまでが実験でも見えるか、どこまでがシミュレーションならではの結果を示せるか、どの部分で他人の研究と差別化できるか、と考えながら進めるべきだ。

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[2008年6月13日]

[2004年10月26日]

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