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CML(Citroenists' ML、シトロエニスツ メーリングリスト)はフランスの自動車メーカー、シトロエン社製の車の整備維持に関する情報を交換する目的で1995年夏に設立された、メーリングリスト(メンバー間で一対多のメール配信を行うサービス)です。
現在は、シトロエン車の維持管理の情報のみならず、フランス車やフランス文化など、シトロエンに関係する非常に幅広い話題を扱っています。
シトロエン車は、所有者が少なく、故障が多いので、整備維持のための情報交換が渇望されていましたが、1995年当初は、個人ウェブサイトがまだ全く普及しておらず、また、インターネットへのアクセス速度が遅かったこともあり、パソコン通信でも情報を得られるようにと、メールを交換する形態を選びました。文化サークル的な用途であれば、大学のネットワークから情報発信しても構わないと考え、非商用と明記した上でサービスをはじめました。なお、開設当時は管理者はまだ学生でした。
CMLウェブページ(メーリングリストにメンバー登録するために必ずアクセスする必要があるページ、注1)には、商用目的での書き込みを禁止する旨が明記してあります。ときどき、商業目的と思われる投稿がありますが、他のメンバーが指摘してやめさせているようですので、メンバーの間にも、商用禁止のポリシーはゆきわたっていると考えています。
CMLが稼動しているサーバー機器はネットワークケーブルまでは研究室の資産、そこから先のネットワークカードとサーバー本体は個人機材を使用しています。サーバーには10年前の開設当時のノートPCを現在も使用しており、その定常消費電力は、携帯電話充電器と同程度(約10W)です。通信量は以下の通りです。一日メール10通程度を2000人弱のメンバーにおくっていて、一通のサイズが4000バイト程度ですので、メールの送信だけで一日80Mbytes、単純に秒あたりに直すと8000bit/秒程度のトラフィックになります。
自動車に関する情報を扱うメーリングリストではありますが、管理者自身は開設当時から現在まで自動車を所有していません。知的な興味だけにもとづき、純粋にボランティアで運営しており、CMLを通じて収益を上げるようなことは一切行ったことがありません。
管理者としての業務は、たまにサーバーOSの更新を行う程度で、ほぼ全自動で稼動しており、職務を妨げるようなことはありません。また、記事の記録を調べればあきらかですが、最近では、私自身が投稿するのは、ほとんどがトラブルの裁定に入る場合に限られています。メンテナンスフリーで何年も動きつづけているせいで、学外のサーバーに移転させようという気にこれまでならなかった、という面はあると思います。
2005年2月18日に、メンバーの一人が、マツダ株式会社が出版した、シトロエン車のショップマニュアル(整備工場などで、高度な修理を行うための手引書)のコピーを配布しようとしたようです。(資料1)私自身は今年にはいってからCMLの記事を読んだ覚えがなく、その記事が投稿されたことには気付いていませんでしたが、2月22日にマツダ株式会社(部署は不明)からメールを受けとり、記事のことを知りました。(資料2、3)
CMLへの投稿は、CMLウェブページ(注1)から誰でもすべて閲覧することができますので、過去の投稿記事を検索し、該当する内容をつきとめて、ウェブページから記事を削除し、また削除した旨と、著作権法遵守を求める通知をメーリングリストに流しました。(資料4)その際に、私の個人的見解を別記事としてメーリングリストに書きました。(資料5)
問題の投稿を行った本人からは、配布してしまったマニュアルを回収し、マツダ社の指示に従う旨のメールを28日付けで受けとっています。(資料6)
マツダ株式会社はバブル期にシトロエン車を販売していたことがありますが、その後販売からは撤退しています。当時マツダ株式会社からシトロエン車を購入したメンバーはけっこういると思われますので、メンバーからは、管理人とマツダ社の対応について、現在まで継続的に様々ないくつか意見がメーリングリストに投稿されています。(資料7)私としては、メンバーの議論が収束した時点で、マツダ株式会社に今回の事件の詳細と管理人の対処、およびメンバーからの要望を伝えようと考えていました。その矢先に、今回の通報を聞いた次第です。
通報者のHさんは、CMLのかなり前からのメンバーであり、引用されているメールは資料4、5と相違ありません。資料4の、管理者としての投稿については特に問題はないと思います。資料5をHさんは問題視されているようですので、私の見解を書きます。
現行著作権法では、他人の著作物を無断で複製することは原則的に禁じられていますが、例外規定があり、その例外規定におさまる場合は、複製することができます。また、他者が配布する著作物が、違法な複製物であるか、正規の複製物であるかを、うけとる側の責任で確認しなければならないという法、判例はないと思います。私は個別の案件について、ひとつひとつ合法か違法かを判断する能力を持ちあわせていませんから、グレイな取引をCML上でされても困りますので、そのようなことは、CMLの外で、個人の責任において行動するように書きました。また、議論が盛りあがるなら、違法でない方法でマニュアルを入手できるよう、マツダ社に要請する意向も示しています(資料7)
「古い車をいつまでも乗り回すことを文化と称してはばからない」という点については、ずいぶん昔の話ですが、私とHさんの議論を資料8に添付しておきます。Hさんの意見「排ガスが汚い古い車を乗り回すのは迷惑である」に対して、最終的に同意した旨をメールした覚えがありますので、その点を持ちだされたのは驚きです。たぶんHさんが忘れていらっしゃるのでしょう。
古い車を維持することが文化であるという考えは私個人の意見であって、CMLや大学の見解でもありません。(資料8に記載あり)蒸気機関車を動態保存する文化と同様、問題があるとは思えないので撤回する考えはありません。なお、環境に対する姿勢という点について言わせていただけるなら、H氏の低公害自動車よりも、私の愛用の自転車+公共交通機関のほうがはるかに環境負荷が小さいと考えています。
[2005年3月3日]
[2004年10月26日]
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